メインコンテンツへスキップ
Lesson6 / 6

Python実行方法の種類(REPL、スクリプト、Jupyter)

目次

このレッスンで学ぶこと

  • Pythonプログラムを実行する3つの方法
  • それぞれの方法の使い分け
  • 実際にREPLを使ってみる
  • どの方法をいつ使うべきか

なぜ複数の実行方法があるのか?

前回のレッスンでは、print("Hello World") というプログラムを書きました。でも、このプログラムをどうやって実行するのでしょうか?

実は、Pythonには主に3つの実行方法があります。それぞれに適した使い道があり、状況に応じて使い分けます。

3つの実行方法:

  1. REPL(対話モード): 1行ずつ実行して、すぐに結果を見る
  2. スクリプト実行: ファイルに保存したプログラムを実行する
  3. Jupyter Notebook: ブラウザ上でコードと説明を組み合わせて実行する

料理に例えるなら、「味見(REPL)」「本格的な調理(スクリプト)」「レシピ記録(Jupyter)」のようなものです。

💡 豆知識: REPLは「Read-Eval-Print Loop」の略で、「読んで、評価して、表示して、繰り返す」という意味です。


1. REPL(対話モード)

REPLとは?

REPLは、Pythonと「対話」するように、1行ずつコードを書いて実行できる方法です。

特徴:

  • コードを書いたらすぐに実行される
  • 結果がその場で表示される
  • ちょっとした計算や動作確認に便利

REPLの起動方法

Windows:

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. python と入力してEnter

Mac/Linux:

  1. ターミナルを開く
  2. python3 と入力してEnter

すると、以下のような画面が表示されます:

Python 3.11.0 (main, Oct 24 2022, 18:26:48)
[Clang 14.0.0 (clang-1400.0.29.202)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

この >>> がプロンプト(入力待ち状態)です。


REPLを使ってみよう

例1: 簡単な計算

Python
>>> 1 + 1
2
>>> 10 * 5
50
>>> 100 / 4
25.0

計算式を入力すると、すぐに答えが表示されます。電卓のように使えます。


例2: 文字列の表示

Python
>>> print("Hello World")
Hello World
>>> "Python"
'Python'

print() を使わなくても、値を入力するだけで表示されます。


例3: 変数の使用

Python
>>> name = "太郎"
>>> name
'太郎'
>>> age = 25
>>> age
25
>>> age + 5
30

変数に値を保存して、後から使うこともできます。


REPLの終了方法

方法1: exit()を使う

Python
>>> exit()

方法2: Ctrl+Dを押す(Mac/Linux)

Python
>>> [Ctrl+D]

方法3: Ctrl+Zを押してEnter(Windows)

Python
>>> [Ctrl+Z]
[Enter]

REPLが適している場面

  • ちょっとした計算をしたいとき
  • 関数の動作を確認したいとき
  • 新しいライブラリを試すとき
  • エラーの原因を調べたいとき

例: 「この関数、どう使うんだっけ?」と思ったら、REPLで試してみる。


2. スクリプト実行

スクリプトとは?

スクリプトは、Pythonコードを .py ファイルに保存して実行する方法です。

特徴:

  • 複数行のプログラムを保存できる
  • 何度も繰り返し実行できる
  • 他の人と共有できる
  • 本格的なプログラム開発に使う

スクリプトの作成と実行

ステップ1: ファイルを作成する

テキストエディタ(メモ帳、VS Codeなど)で、以下の内容を書きます:

Python
# hello.py
print("Hello World")
print("Pythonスクリプトを実行しています")
print("これは3行目です")

ファイル名を hello.py として保存します。

保存場所の例:

  • Windows: C:\Users\YourName\Documents\hello.py
  • Mac/Linux: /Users/YourName/Documents/hello.py

ステップ2: ファイルがあるフォルダに移動する

スクリプトを実行する前に、ファイルを保存したフォルダ(ディレクトリ)に移動する必要があります。

cd(Change Directory)コマンドを使う:

Windows(コマンドプロンプト):

Shell
# Documentsフォルダに移動する例
cd C:\Users\YourName\Documents

Mac/Linux(ターミナル):

Shell
# Documentsフォルダに移動する例
cd /Users/YourName/Documents

現在のフォルダを確認する方法:

Windows:

Shell
# 現在いるフォルダのパスが表示される
cd

Mac/Linux:

Shell
# 現在いるフォルダのパスが表示される
pwd

ファイルがあるか確認する:

Windows:

Shell
# フォルダ内のファイル一覧を表示
dir

Mac/Linux:

Shell
# フォルダ内のファイル一覧を表示
ls

hello.py が一覧に表示されればOKです。


ステップ3: スクリプトを実行する

ファイルがあるフォルダに移動したら、実行できます。

Windows(コマンドプロンプト):

Shell
python hello.py

Mac/Linux(ターミナル):

Shell
python3 hello.py

実行結果:

Hello World
Pythonスクリプトを実行しています
これは3行目です

スクリプトの例

例1: 簡単な計算プログラム

Python
# calculator.py
# 消費税計算プログラム

price = 1000
tax_rate = 0.1

tax = price * tax_rate
total = price + tax

print(f"商品価格: {price}円")
print(f"消費税: {tax}円")
print(f"合計: {total}円")

実行結果:

商品価格: 1000円
消費税: 100.0円
合計: 1100.0円

例2: 繰り返し処理

Python
# greeting.py
# 複数の人に挨拶するプログラム

names = ["太郎", "花子", "次郎"]

for name in names:
    print(f"こんにちは、{name}さん!")

実行結果:

こんにちは、太郎さん!
こんにちは、花子さん!
こんにちは、次郎さん!

スクリプトが適している場面

  • ある程度の規模のプログラムを書くとき
  • 繰り返し実行したいとき
  • プログラムを保存して管理したいとき
  • 他の人と共有したいとき
  • 自動化したいとき(毎日実行など)

例: 毎週実行する報告書作成プログラムなど。


3. Jupyter Notebook

Jupyter Notebookとは?

Jupyter Notebookは、ブラウザ上でPythonコードを実行できる環境です。

特徴:

  • コードと説明文を一緒に書ける
  • 実行結果がその場に表示される
  • グラフや表を美しく表示できる
  • データ分析や学習に最適

Jupyter Notebookのインストール

Shell
# pip を使ってインストール
pip install jupyter

Jupyter Notebookの起動

Shell
jupyter notebook

すると、ブラウザが自動で開き、Jupyter Notebookの画面が表示されます。


Jupyter Notebookの使い方

セル(Cell)とは

Jupyter Notebookでは、「セル」という単位でコードや文章を書きます。

セルの種類:

  • コードセル: Pythonコードを書く
  • Markdownセル: 説明文を書く(見出し、箇条書きなど)

例: データ分析の記録

Python
# セル1(Markdownセル)
# 売上データ分析

このノートブックでは、2024年の月別売上を分析します。

# セル2(コードセル)
sales = [100, 120, 150, 130, 140, 160]
print(f"合計売上: {sum(sales)}万円")
print(f"平均売上: {sum(sales) / len(sales)}万円")

# 実行結果:
# 合計売上: 800万円
# 平均売上: 133.33万円

# セル3(コードセル)
import matplotlib.pyplot as plt

plt.plot(sales)
plt.title("月別売上推移")
plt.xlabel("月")
plt.ylabel("売上(万円)")
plt.show()

# 実行結果:
# (グラフが表示される)

Jupyter Notebookが適している場面

  • データ分析をするとき
  • 学習記録を残したいとき
  • 他の人に分析結果を共有したいとき
  • グラフや表を含むレポートを作りたいとき

例: 売上データを分析して、グラフ付きのレポートを作成する。


3つの方法の比較

方法用途メリットデメリット
REPL動作確認、簡単な計算すぐに試せる、対話的保存されない、複数行は不便
スクリプト本格的な開発、自動化保存・共有できる、大規模開発向きすぐに試すには手間
Jupyterデータ分析、学習記録説明とコードを一緒に管理、グラフ表示起動が必要、Webブラウザが必要

使い分けの例

場面1: 新しい関数を学ぶとき

1. REPLで基本的な使い方を試す
2. 理解したら、スクリプトファイルに保存
3. より詳しく学ぶならJupyterで記録

場面2: データ分析プロジェクト

1. Jupyterで探索的にデータを分析
2. 確定した処理をスクリプトファイルにまとめる
3. 定期実行するスクリプトとして利用

場面3: プログラミング学習

1. REPLで文法を試す
2. 練習問題をスクリプトファイルで解く
3. 学習記録をJupyterにまとめる

よくある間違い

間違い1: REPLでファイルを実行しようとする

Python
# ❌ 間違い
>>> python hello.py
  File "<stdin>", line 1
    python hello.py
           ^
SyntaxError: invalid syntax

原因: REPLの中では、Pythonコードしか実行できません。ファイルを実行するには、REPLを終了してから、コマンドプロンプト/ターミナルで実行します。

Python
# ✅ 正しい
>>> exit()  # まずREPLを終了
$ python hello.py  # コマンドプロンプトで実行

間違い2: スクリプトに >>> を書いてしまう

Python
# ❌ 間違い(hello.pyの中身)
>>> print("Hello")
>>> print("World")

原因: >>> はREPLのプロンプトであり、スクリプトファイルには書きません。

Python
# ✅ 正しい(hello.pyの中身)
print("Hello")
print("World")

間違い3: Jupyterを起動せずにファイルを開く

# ❌ 間違い
ダブルクリックで .ipynb ファイルを開く
→ テキストエディタで開いてしまい、読めない

原因: Jupyterのファイル(.ipynb)は、Jupyter Notebookを起動してから開く必要があります。

Shell
# ✅ 正しい
jupyter notebook  # まずJupyterを起動
# ブラウザでファイルを選択して開く

練習問題

問題1(基礎)⭐☆☆

3つの実行方法の名前を挙げてください。

💡 ヒント

このレッスンで説明した順番に答えてみましょう。

✅ 解答例
  1. REPL(対話モード)
  2. スクリプト実行
  3. Jupyter Notebook

解説: それぞれに適した使い道があります。学習の最初はREPLとスクリプトを中心に使い、データ分析を学ぶ段階でJupyterも使い始めるのがおすすめです。


問題2(基礎)⭐☆☆

以下の場面で、どの実行方法が最適か考えてください:

a) 「10 × 15 はいくつだっけ?」とちょっと計算したい b) 毎週実行する売上集計プログラムを作りたい c) データ分析の結果をグラフ付きでレポートにまとめたい

💡 ヒント
  • すぐに試したい → REPL
  • 保存して繰り返し使いたい → スクリプト
  • 説明とコードを一緒に管理したい → Jupyter
✅ 解答例

a) REPL(対話モード)

  • 理由: ちょっとした計算なので、すぐに試せるREPLが最適

b) スクリプト実行

  • 理由: 繰り返し実行するプログラムは、ファイルに保存して管理する

c) Jupyter Notebook

  • 理由: グラフと説明を一緒に表示できるため、レポート作成に最適

解説: 状況に応じて適切な方法を選ぶことで、効率的に作業できます。最初は使い分けが難しいかもしれませんが、使っていくうちに自然と分かるようになります。


問題3(応用)⭐⭐☆

REPLで以下の操作を試してみましょう(実際に手を動かす問題です):

  1. REPLを起動する
  2. 10 + 20 を計算する
  3. message = "Python" と入力する
  4. message と入力して、変数の中身を確認する
  5. REPLを終了する
💡 ヒント
  • Windows: コマンドプロンプトで python
  • Mac/Linux: ターミナルで python3
  • 終了: exit() または Ctrl+D(Mac/Linux)、Ctrl+Z→Enter(Windows)
✅ 解答例
Python
# REPLを起動
$ python

# 計算
>>> 10 + 20
30

# 変数に代入
>>> message = "Python"

# 変数の確認
>>> message
'Python'

# REPLを終了
>>> exit()

解説: REPLでは、このように対話的にPythonを実行できます。新しい文法や関数を学ぶときは、まずREPLで試してみるのがおすすめです。間違えても大丈夫なので、どんどん試してみましょう。


まとめ

このレッスンでは、Pythonの実行方法を目的別に使い分ける考え方を学びました。

  • Pythonの代表的な実行方法として、REPL、スクリプト、Jupyter Notebookを整理しました。
  • REPLは短いコードの確認や試行錯誤に向いていることを理解しました。
  • スクリプト実行は、コードを保存して再利用する開発に適していると確認しました。
  • Jupyter Notebookは、コードと説明を一体で扱う学習・分析に有効であると学びました。
  • 作業内容に応じて実行方法を選ぶことが、効率的な学習と開発につながると理解しました。